「奨学金の返済で、人生がしんどい」

20代の女性から、奨学金について話を聞きました。

毎月2万円の返済。

金額だけを聞けば、「月2万円くらいなら」と思う人もいるかもしれません。

でも、社会人になったばかりの頃を思い出してみてください。

まだ社会のこともよくわからない。金銭感覚だって、これから身につけていく段階です。

そんな18歳、19歳のときに、

「大学に行きたい」

という自分の希望のために、数百万円の借金を背負う。

そのときに学びたいと思った気持ちは、決して悪いものではありません。

むしろ、自分の未来のために学ぼうとすることは、とても立派なことです。

それなのに、卒業した瞬間から待っているのは、社会人としての生活と借金の返済です。

目次

月収25万円でも、自由に使えるお金は多くない

例えば月収25万円。

社会保険などが差し引かれれば、手取りはおおよそ19~20万円程度。

そこから奨学金を毎月2万円返済すると、実際に生活に使えるお金は17~18万円程度になります。

そこから一人暮らしの家賃、食費、光熱費、通信費。

車を持っていれば、ローン、保険、ガソリン、車検や維持費もかかります。

生活するだけで、給料のほとんどが消えていく。

貯金をする余裕もない。

転職して失敗するのも怖い。

病気やケガをすれば、さらに不安になる。

そして、結婚や出産を考えれば、また大きなお金が必要になります。

「将来のために頑張ろう」と思っても、その将来のために使えるお金が残らないのです。

親にも頼れない

では、親に頼ればいいのでしょうか。

それも簡単ではありません。

今の若者の親世代には、いわゆる「氷河期世代」も多くいます。

安定した仕事に就くことが難しかった時代を経験し、十分な収入や資産を築けないまま家庭を維持してきた人も少なくありません。

自分たちの生活や老後だけで精一杯。

「困ったら親に頼ればいい」と言える家庭ばかりではないのです。

つまり今の若者は、

自分で借りて、自分で返す。

それが当たり前になっています。

奨学金は、名前がどうであれ「借金」

もちろん、奨学金制度には返済猶予や減額返還など、返済が難しくなった人を支える制度があります。

制度そのものも、少しずつ拡充されています。

けれど、基本的な構造は変わりません。

返済が必要な奨学金を借りれば、卒業後には返済が始まります。

つまり、奨学金という名前であっても、返さなければならないお金は紛れもなく借金です。

大学教育が本人の未来だけでなく、将来社会を支える人材を育てるための「社会への投資」だと考えるなら、その投資のリスクを若者本人にほぼ負わせる仕組みが、本当にこれでいいのかと思ってしまいます。

「今の若者は結婚しなくなった」と言うけれど

「今の若者は結婚しなくなった」

「子どもを産まなくなった」

「結婚願望がない」

そんな言葉をよく耳にします。

でも、本当にそれは若者だけの問題なのでしょうか。

好きな人と出会って、一緒に暮らして、結婚して、子どもを育てる。

そんな普通の人生を思い描いていても、その前に、

「生活できるだろうか」

という不安が立ちはだかる。

結婚したら生活費が増える。

子どもが生まれれば教育費がかかる。

家を持つにもお金が必要。

そして、もし結婚できなかったら、老後の生活も自分一人で背負わなければならない。

人生のどの選択をしても、それに伴うリスクが本人に返ってきます。

だから、結婚したくないのではなく、結婚を考える心の余裕そのものがなくなっている人もいるのではないでしょうか。

今の若者は「失敗」ができない

仕事を辞めてみる。

転職してみる。

好きなことをやってみる。

恋愛してみる。

結婚してみる。

子どもを持ってみる。

人生には、本来ある程度の「失敗してもやり直せる余白」が必要だと思います。

でも、最初から借金を背負い、毎月返済しながら生活していると、その余白がありません。

仕事を失えば返済が苦しくなる。

病気になれば生活そのものが危うくなる。

結婚して子どもを持つことにも不安がある。

親にも頼れない。

そうなると、若者は「失敗しないこと」を最優先に生きるようになります。

挑戦しない。

無理をしない。

結婚も先送りする。

子どもを持つことも躊躇する。

そうして気がつけば、30代、40代になっている。

若者に「頑張れ」だけでは酷すぎる

もちろん、自分の人生だから、自分で責任を持つことは大切です。

奨学金を借りて大学に行くという選択にも、本人の意思があります。

だからといって、

「自分で選んだんだから、自分で返せばいい」

だけで終わらせていいのでしょうか。

若者が学ぶことは、本人だけの利益ではありません。

教育を受けた人が社会に出て働き、税金を納め、社会を支えていく。

その意味では、教育は社会全体にとっての投資でもあります。

その投資のリスクを、まだ社会に出ていない18歳、19歳の若者に背負わせる。

そして社会人になったら、

「頑張って働いて、返してください」

という。

それでも返せなくなったら、救済制度を利用する。

しかし、その救済にも限界がある。

これは、あまりにも若者に厳しい仕組みではないでしょうか。

これは、本当に「若者のせい」なのか

若者が結婚しない。

若者が子どもを産まない。

若者が将来に希望を持てない。

その結果だけを見て、「若者の価値観が変わった」と片付けるのは簡単です。

でも、その背景には何があるのでしょう。

借金。

税金。

社会保険料。

生活費。

親にも頼れない現実。

失敗できない不安。

そして、結婚や子育てまで自分で背負わなければならないというプレッシャー。

これだけのものを背負った若者に、

「もっと将来に希望を持ってください」

と言うだけでは、あまりにも酷ではないでしょうか。

若者が希望を持てる社会を作ることは、若者だけのためではありません。

その若者たちが結婚し、家庭を持ち、子どもを育て、次の世代をつくっていく。

それは、私たち大人が暮らす社会そのものの未来につながっています。

この苦しさ、本当に「若者のせい」でしょうか。

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この記事を書いた人

mayuのアバター mayu 心結び✩.*˚恋愛・婚活・結婚後のリアルを伝える婚活カウンセラー

恋愛や婚活だけでなく、結婚後のリアルな暮らしやお金についても、わかりやすくお伝えしています。
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